認定こども園学び舎ゆめの森がまだ生まれる前のこと…
当時園長であった大熊町教育委員会のCEO(教育長)に
こう問われたことがある…
「子どもたちの30年後を見据えて、育てたい力って何だい?」と…
 
これは自分の残像が残るほどの衝撃だった…
 
だって、私がこれまで見据えていたものなんて
すぐ目の前の就学に向けてくらいだったから…
 
就学以降の学びのぎこちなさが幼児期の経験不足に起因してはならない!
デザイナーすべての思いはひとつであるが…
見据えるところのあまりの違いに…
言葉に詰まるばかりだった…
 
CEOが見ている景色ってなんだろう…
CEOに見えている情景ってどんなんだろう…
あれ以来、頭の中はぐ~るぐるっ… 
自問自答の繰り返し…
 
幼稚園、こども園は、人間として、社会とかかわる人として
「生きる力」の基礎を培う場所…
 
行き帰りの車中、トイレや苦手な湯船の中でさえ…
その問いに向き合った数か月…
 
今までの自分から、顎をグッと上げて少しずつ見据える先を変えていくと…
いつしか「生きる力」の基礎という言葉は…
「生き抜く力」を培う土づくりへと徐々に変わっていった…
 
その感覚に変わっていく頃、これから出会う子どもを思うと…
この仕事への「熱量」がさらに上がっていた…
この感覚で子どもたちを前にすると…
子どもの見取りの「解像度」が上がる気がした…
生活に「果敢さ」を与えられる気がした…
日々の遊びの「質感」を変えられる気がした…
子どもたちへの言葉がけに「粋」が生まれる気がした…
 
私たちが目指すものは…
0歳から15歳までの子どもたちが共に過ごす学び舎であっても…
15歳の巣立つ時の姿がゴールなんかではなく…
学び舎ゆめの森で培った「自分力」を操作して…
その先の各ステージにおいて…
それぞれが、それぞれのタイミングで…
大輪の花を咲かせることである…
 
あの時のCEOの問いに対し、今現在の私は…
考えたことを自分なりに形にできる「デザイン力」と
「打たれ強さ」(レジリエンス)であると答えるだろう… 
 
間違いのない、正解のない問い…
この問いと向き合った時間は…
薄味の汁椀の中でカブの甘さを感じたような心地よさがあった…
(本日、管理栄養士さんの給食に対する志にふれたもので…)
 
学び舎ゆめの森のこども園は、生き抜く力を培う「土壌」づくり…
安心して失敗ができる雰囲気の中で…
心と体の基礎体力をデザイナーとともに育んでいきたい…
 
やっぱりデザイナー(保育教諭)っておもしろい!
私も心はいつでもデザイナー
まだまだ未熟なデザイナー  イェィッ!
 
 
本日も、途中で園を離れることとなりまして…
余計なことを申し上げた次第です… あしからずっ