皆さん、こんにちは。
本日5時間目、ゆめの森お楽しみ会を開催しました。
この会は、ゆめの森新メンバーと更に交流を深めるべく上級生によって企画されました。さて、ワクワクの交流会、少し振り返ってみましょう?

お昼休み終了と同時にゲームの始まりです。
内容は「全体かくれんぼ」。ルールは・・説明するまでもありません。
新メンバーが隠れる側、古株メンバーが探す側です。
ゆめの森の勝手知ったる強者相手に、新メンバーは隠れおおせることが出来るのでしょうか。
2時ちょうど。古株たちは本の広場に集合です。
どうやら新メンバーはすでに隠れている模様。
「もーいーかーい?」
大声で呼びかけると、どこか遠くから
「まあだだよー」
小さな声が返ってきます。
うずうずする心をグッと抑えもう一度、
「もーいーかーい?」
「・・・・」
寂として声がありません。
声なきをOKのサインと心得て、広場より蜘蛛の子を散らすように児童生徒が駆け出します。
「みーつけたー!」
あちらこちらから弾んだ声が響いてきます。
「もう見つかっちゃったよー。」
苦笑いで戻ってくる児童に職員。本の広場中央に「収容」されていきます。
収容者は不貞腐れるかと思いいきや、
「どこに隠れてた?」
互いに短い戦果を楽しげに語り合っています。
制限時間は5分間。
「あといっぷーん!」
時間を告げる声に、追跡中の足は自ずと早まります。
「5・4・3・2・1・おわりー!!」
「もーいーよー。出ておいでー!」
最後まで隠れおおせたメンバーは3人。
得意げに現れた3人に惜しみない拍手が送られます。


ええっとね、きむじゅんは、いらない!
「かくれんぼ」
なんだ、子供の遊びか、とお思いの皆様。確かに私も上級生が夢中になるか心配していました。
いや、意外と楽しいんです。
8年生も含め、皆汗みずくで探し回っています。低学年はかくれんぼをそのままに、上級生は頭の中で「かくれんぼ」というのんびりした和語を、「犯人追跡」のような漢語に翻訳して興奮しているのかもしれません。
私自身、かくれんぼの面白さを再発見しました。
今日までは「隠れている間はひとりぼっちだし、協働性に乏しいよね・・。」と思っていました。しかし、真剣に取り組むと想像以上に興奮します。
興味を持って、少し調べてみたところ、世間には「日本かくれんぼ協会」なるものが存在し、かくれんぼを通して、新たなコニュニケーションをデザインする活動を行なっているとのこと。なんと国際大会まで開催されており2017年のイタリア大会には80カ国もの参加があったとのこと。なかなかどうしてバカにできません。
ここにかくれんぼ日本代表「かくれジャパン」代表の言葉を載せます。
かくれんぼ競戯中には 鬼と他のプレーヤーとの一瞬の判断が致命傷になる駆け引きの中で、 鬼の目線でヒリヒリと肌から伝わる緊張感、 鬼が無事通り過ぎた後の安堵感、 自分から勝負を仕掛ける興奮、 ゴールできた時の喜び 現在のバーチャル技術では絶対体験できない楽しさがあります。
ぼくは、そんなかくれんぼが大好きです。
今の日本ではかくれんぼを含む外遊びなんてものは 非生産的なもの、無駄なものといったイメージがあるのではないでしょうか?
ぼくはそうは思いません。
かくれんぼってめっちゃ楽しいし、 自分を表現する場でもあるし、 コミュニケーションツールとして最適だし、 運動不足解消できるし、 なにより、外で思いっきり遊ぶことで得る解放感は 今の疲れた大人たちに何より必要な心のゆとり(あそび)を生む 価値ある活動と思います。
日本かくれんぼ協会代表 高山勝インタビュー記事より
「マジ」で取り組むかくれんぼの地平には、まだ知らぬ世界が広がっているようです。

かくれんぼに取り組む際、誰も知らない「絶対見つからない場所」に隠れたら、ゲームの面白さは半減するかもしれません。代表が語っている通り「もしかしたら見つかるかも」といった緊張感と、足音が遠ざかっている時の安堵感との緊張と解放のバランスを楽しむことこそ、かくれんぼの醍醐味でしょう。
少し話が前後します。
今日のゆめの森の自由進度学習「全校算数」の時間です。
「イエーイ!また100点!」
一人の児童が雄叫びを上げます。
お、感心感心と思いちらと覗いてみると、どうやら下学年の同じ問題を繰り返し繰り返し解いていた模様。
「・・・じゃあさ、次のステージに進もうよ。」と私。
「難しいから嫌なの。もう一回ここやるの!」と児童。
なるほど自信をつけるために成功体験を何回も積むことも大事だよな。もしかしたら、今彼は不安定で、こうした形で自己肯定感を保とうとしているのかもしれない・・。
逡巡し、二の句が出ぬまま彼の後ろ姿を見守りました。
半日を経て、二の句がでます。
できる、できないのぎりぎりをせめてみない?
きっと面白いはずだから!
算数も、かくれんぼも完全な安牌をとり続けても面白さは持続しません。
ゆめの森に対し、のんびりおっとりしたイメージをお持ちの方も多いと思いますが、時に大いにヒリヒリしながらギリギリを攻めるゆめの森でもあってほしいと願います。
