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学習者主体の学びは、誰のためか
~ゆめの森が大切にしていること~
いつも大熊町立学び舎ゆめの森の教育活動にご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。
私は、本校で主幹教諭を務めております草野です。
今年度は授業を担当するのではなく、デザイナー(教職員)とともに授業づくりや学校づくりについて考え、子どもたちの学びをより豊かにするための伴走役を務めています。
その一つとして、今年度は教職員向けに「授業づくりの伴走記」という通信を書き続けてきました。
授業づくりや子どもとの関わり方、学校として大切にしたい考え方について、教職員同士が対話しながら認識を合わせることを目的に発信してきたものです。気が付けば、その伴走記も68号となりました。
夏休みは、子どもたちにとって一学期を振り返り、二学期へ向けて力を蓄える時間です。そして、私たち教職員にとっても、自分たちの教育を見つめ直す大切な時間でもあります。
そこで、この夏休みは伴走記をもとに内容を見直し、保護者や地域の皆様にも読んでいただけるよう、「ゆめの森が大切にしていること」と題してホームページで連載していきたいと思います。
学校では日々、さまざまな教育活動を行っています。しかし、「なぜ、このような学びを大切にしているのか」「どんな子どもの姿を目指しているのか」という思いは、なかなかお伝えする機会がありません。
この連載を通して、ゆめの森が大切にしている教育観や学校づくりへの思いを少しずつ共有し、ご家庭や地域の皆様とともに子どもたちの成長を支えていけたら嬉しく思います。
学習者主体の学びとは
ゆめの森では、「学習者主体の学び」という言葉を大切にしています。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、私たちが目指していることは、とてもシンプルです。
子どもたちが、自ら考え、自ら選び、自ら学び続けられる人になること。
そのための学びです。
これまでの学校教育では、「先生が教え、子どもが覚える」という授業が中心でした。
もちろん、知識や技能を身に付けることは、とても大切です。
しかし、これからの社会では、正解が一つではない課題に向き合う場面が増えていきます。
誰かに答えを教えてもらうのを待つのではなく、自分で考え、仲間と対話しながら答えを見つけていく力が求められる時代です。
だからこそ、ゆめの森では、「学び方」そのものを大切にしています。
子どもが学び手になる瞬間
授業の中で、こんな光景を見ることがあります。
授業の始まりには、
「先生、次は何をすればいいですか。」
と教師に尋ねていた子どもが、
学習が進むにつれて、
「これ、調べてみたい。」
「こんな方法でもできそう。」
「友達にも聞いてみよう。」
と、自分から動き始めることがあります。
その時、子どもたちの視線は教師ではなく、教材や仲間へ向いています。
私は、その瞬間こそが、子どもたちが本当の意味で**「学び手」になる瞬間**だと思っています。
学びは「やらされる」ものではない
そのために、私たちデザイナーが最も大切にしていることがあります。
それは、授業の始まりです。
子どもたちが、
「やってみたい。」
「なぜだろう。」
「もっと知りたい。」
そう思える教材との出会いや問いを、丁寧にデザインすることです。
子どもは、「やりなさい」と言われたから学ぶのではありません。
「面白そう。」
「やってみたい。」
そう感じた時、自ら学び始めます。
そして、一度動き始めた子どもたちは、私たちの想像を超えるほど夢中になって学び続けることがあります。
一人一人の学びを大切にするために
もちろん、「学習者主体の学び」とは、子どもに全てを任せることではありません。
どの子にも身に付けてほしい学びは、国が定めている学習指導要領に基づいて責任をもって育てていきます。
その上で、一人一人が自分らしい方法で考え、対話し、挑戦しながら学べる環境を大切にしています。
子どもたちは、一人一人違います。
興味や関心も違えば、得意なことや苦手なこと、学ぶ速さも違います。
だからこそ、「みんな同じ」を目指すのではなく、一人一人が自分らしく成長できることを目指しています。
おわりに
私たちが育てたいのは、学校にいる間だけ学べる子どもではありません。
卒業した後も、自ら問いをもち、自ら学び続け、自分の人生を切り拓いていける人です。
それが、ゆめの森が「学習者主体の学び」を大切にしている理由です。
ぜひ、ご家庭でも、お子さんに
「今日は何を勉強したの?」
だけではなく、
「今日はどんなことを考えたの?」
「どんなことに挑戦したの?」
「どんな発見があったの?」
そんな言葉を掛けていただけたら嬉しく思います。
学校と家庭が同じ方向を向きながら、一人一人の子どもの成長を支えていけることを願っています。
次回、第2話「なぜ、子どもを待つのか」をテーマに、ゆめの森が大切にしている「待つ教育」についてお伝えします。




