目次
自由進度学習とは、「自由」ではなく「自立」である
第1話では、「学習者主体の学びは誰のためか」についてお伝えしました。
第2話では、「待つこと」の大切さについて考えました。
そして今回は、ゆめの森が取り組んでいる自由進度学習についてお伝えします。
「自由進度学習」と聞くと、
「好き勝手に勉強すること」
「子ども任せの学習」
というイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、私たちが目指している自由進度学習は、そうではありません。
目指しているのは、「自由」ではなく「自立」です。
自分で学びを選び、自分で学びを進める力
授業では、子どもたちからこんな言葉を聞くことがあります。
「先生、次は何をすればいいですか?」
「これで合っていますか?」
困った時に教師へ相談することは、とても大切です。
しかし、学びが深まってくると、子どもたちの姿は少しずつ変わっていきます。
「これって、どういうことなんだろう。」
「こう考えたらどうかな。」
「ちょっと調べてみたい。」
「先生、次はこれに挑戦してみるね。」
教師の方ではなく、教材や友達、そして自分自身の問いへと目が向き始めます。
私たちは、この姿こそが「学び手」として育っている姿だと考えています。
一人一人が違うからこそ、自分のペースで学ぶ
ゆめの森では、一人一人の学ぶ速さや方法を大切にしています。
AIドリル「Qubena(キュビナ)」も活用しながら、自分に合ったペースで学習を進めています。
実際に、ある児童は小学校6年生のうちに中学校社会科の内容まで学び終え、その後、自ら苦手だった算数・数学へと学習を進めました。
現在9学年になったその生徒は、得意だった社会だけでなく、数学でも大きく力を伸ばしています。
この姿から改めて感じることがあります。
子どもは、「必要だから学びたい」と思えた時に、大きく成長するということです。
だからこそ私たちは、
「この学習をすると、こんなことができるようになるよ。」
「この力は、こんな場面で役立つよ。」
そんな未来を子どもたちに伝えながら授業をデザインしています。
自由だからこそ、つながりが必要
一方で、自由進度学習には課題もあります。
以前、ある子どもがこんなことを話してくれました。
「みんな進み方が違うから、対話しても意味がない。」
その言葉を聞いた時、私たちは考えました。
問題は自由進度学習そのものではなく、教師の授業デザインにあるのではないか、と。
自由に学ぶことと、一人で学ぶことは違います。
だからこそ、ゆめの森では、
単元の始まりには、
「なぜ学ぶのか。」
「何を目指すのか。」
をみんなで共有し、
単元の終わりには、
「何を学び、どう生かせそうか。」
を語り合う時間を大切にしています。
その間は、一人一人が自分のペースで学ぶ。
このリズムがあることで、一人一人の自由と、仲間との対話の両方を大切にした学びが生まれると考えています。
私たちが育てたいのは、「自分で学び続ける力」
私たちが目指しているのは、
「早く終わる子」を育てることではありません。
「自分で考え、選び、学び続ける子」を育てることです。
そのためには、
教材との出会い、
問い、
見通し、
対話、
そして学ぶ意味を、
教師が丁寧にデザインしていくことが欠かせません。
自由進度学習とは、「自由にしてよい学習」ではありません。
自分で考え、自分で選び、自分で学び続けられる力を育てる学習です。
私たちはこれからも、一人一人が自立した学び手へと育っていけるよう、子どもたちと共に学び続けていきます。
次回、第4話「問いが生まれる授業とは?」をテーマに、子どもたちの「もっと知りたい」を引き出す授業づくりについてお伝えします。




