育む力 育てたい姿

第3話 自由進度学習とは、「自由」ではなく「自立」である

目次

自由進度学習とは、「自由」ではなく「自立」である

第1話では、「学習者主体の学びは誰のためか」についてお伝えしました。

第2話では、「待つこと」の大切さについて考えました。

そして今回は、ゆめの森が取り組んでいる自由進度学習についてお伝えします。

「自由進度学習」と聞くと、
「好き勝手に勉強すること」
「子ども任せの学習」
というイメージを持たれる方もいるかもしれません。

しかし、私たちが目指している自由進度学習は、そうではありません。

目指しているのは、「自由」ではなく「自立」です。

自分で学びを選び、自分で学びを進める力

授業では、子どもたちからこんな言葉を聞くことがあります。

「先生、次は何をすればいいですか?」
「これで合っていますか?」

困った時に教師へ相談することは、とても大切です。

しかし、学びが深まってくると、子どもたちの姿は少しずつ変わっていきます。

「これって、どういうことなんだろう。」
「こう考えたらどうかな。」
「ちょっと調べてみたい。」
「先生、次はこれに挑戦してみるね。」

教師の方ではなく、教材や友達、そして自分自身の問いへと目が向き始めます。

私たちは、この姿こそが「学び手」として育っている姿だと考えています。

一人一人が違うからこそ、自分のペースで学ぶ

ゆめの森では、一人一人の学ぶ速さや方法を大切にしています。

AIドリル「Qubena(キュビナ)」も活用しながら、自分に合ったペースで学習を進めています。

実際に、ある児童は小学校6年生のうちに中学校社会科の内容まで学び終え、その後、自ら苦手だった算数・数学へと学習を進めました。

現在9学年になったその生徒は、得意だった社会だけでなく、数学でも大きく力を伸ばしています。

この姿から改めて感じることがあります。

子どもは、「必要だから学びたい」と思えた時に、大きく成長するということです。

だからこそ私たちは、

「この学習をすると、こんなことができるようになるよ。」
「この力は、こんな場面で役立つよ。」

そんな未来を子どもたちに伝えながら授業をデザインしています。

自由だからこそ、つながりが必要

一方で、自由進度学習には課題もあります。

以前、ある子どもがこんなことを話してくれました。

「みんな進み方が違うから、対話しても意味がない。」

その言葉を聞いた時、私たちは考えました。

問題は自由進度学習そのものではなく、教師の授業デザインにあるのではないか、と。

自由に学ぶことと、一人で学ぶことは違います。

だからこそ、ゆめの森では、

単元の始まりには、

「なぜ学ぶのか。」
「何を目指すのか。」

をみんなで共有し、

単元の終わりには、

「何を学び、どう生かせそうか。」

を語り合う時間を大切にしています。

その間は、一人一人が自分のペースで学ぶ。

このリズムがあることで、一人一人の自由と、仲間との対話の両方を大切にした学びが生まれると考えています。

私たちが育てたいのは、「自分で学び続ける力」

私たちが目指しているのは、

「早く終わる子」を育てることではありません。

「自分で考え、選び、学び続ける子」を育てることです。

そのためには、

教材との出会い、
問い、
見通し、
対話、
そして学ぶ意味を、

教師が丁寧にデザインしていくことが欠かせません。

自由進度学習とは、「自由にしてよい学習」ではありません。

自分で考え、自分で選び、自分で学び続けられる力を育てる学習です。

私たちはこれからも、一人一人が自立した学び手へと育っていけるよう、子どもたちと共に学び続けていきます。

次回、第4話「問いが生まれる授業とは?」をテーマに、子どもたちの「もっと知りたい」を引き出す授業づくりについてお伝えします。

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