問いが生まれる授業とは?
~「もっと知りたい」が学びを動かす~
第1話では、「学習者主体の学びは誰のためか」についてお伝えしました。
第2話では、「なぜ、子どもを待つのか」をテーマに、子どもが自分で考える時間の大切さについてお伝えしました。
第3話では、「自由進度学習とは、『自由』ではなく『自立』である」という考え方をご紹介しました。
今回は、ゆめの森が大切にしている「問い」についてお話しします。

~「もっと知りたい」が学びを動かす~
第1話では、「学習者主体の学びは誰のためか」についてお伝えしました。
第2話では、「なぜ、子どもを待つのか」をテーマに、子どもが自分で考える時間の大切さについてお伝えしました。
第3話では、「自由進度学習とは、『自由』ではなく『自立』である」という考え方をご紹介しました。
今回は、ゆめの森が大切にしている「問い」についてお話しします。
目次
授業の中で、
「先生、次は何をしますか。」
「先生、答えは何ですか。」
そんな声を耳にすることがあります。
子どもたちは真面目に学ぼうとしているからこそ、「正解」を知りたいと思っています。
もちろん、それは悪いことではありません。
しかし、教師が問いも答えも全て用意してしまうと、子どもたちの学びは、「先生が考えている正解を当てる学び」になってしまうことがあります。
私たちが目指しているのは、その先にある学びです。
「これって、どうしてなんだろう。」
「こんな方法もあるんじゃないかな。」
「もっと調べてみたい。」
そんな思いが、子ども自身の中から自然に生まれる授業です。
以前、自由進度学習では、単元の最初に教師が学習計画を提示していました。
見通しをもって学習を進めることはできますが、一方で、
「ここまで終わらせればいい。」
「次はこれをやればいい。」
というように、学習そのものが「決められた計画を進めること」になってしまう場面もありました。
そこで現在は、単元の最初に子どもたちと一緒に考える時間を大切にしています。
「最後には、どんなことができるようになりたい?」
「そのためには、どんな学びが必要だろう。」
「どんな順番なら進めやすいかな。」
こうした対話の中から、子どもたち自身の問いが少しずつ生まれていきます。
教師が全てを決めるのではなく、子どもたち自身が学びをつくっていく。
その時間が、主体的な学びの土台になっています。
教育哲学者の苫野一徳さんは、
「子どもたち自身が、関心のあるテーマに浸りきり、自分なりの問いに没頭する学び」
の大切さを語っています。
私たちも、この考えを大切にしています。
問いは、
自然をじっくり観察した時。
友達と何気なく話している時。
実際に触れてみた時。
思い通りにいかなかった時。
「なんでだろう。」
という小さな違和感を抱いた時。
そうした経験の中から、少しずつ生まれてきます。
だから授業では、
すぐに答えを教えるのではなく、
立ち止まれる時間や、
友達と語り合える時間、
実際に体験できる時間を大切にしています。
問いは、「考えなさい」と言われて生まれるものではありません。
安心して考えられる環境の中で、自然と育っていくものなのです。
今では、生成AIに質問すれば、多くのことをすぐに教えてくれる時代になりました。
だからこそ、これから本当に大切になるのは、
「答えを知る力」ではなく、「どんな問いを立てるか」という力です。
同じAIを使っても、問いが違えば返ってくる答えも大きく変わります。
未来を生きる子どもたちには、
正解を覚えるだけではなく、
自分なりの問いをもち、
考え続けられる力を育んでほしいと願っています。
未来デザインの学びも、まさにその力を育てるための大切な時間です。
ゆめの森では、
「問いを立てなさい。」
と教えるのではなく、
「問いが生まれたくなる授業」を大切にしています。
子どもたちが、
「もっと知りたい。」
「やってみたい。」
「友達と話してみたい。」
そんな気持ちになった時、学びは教師から与えられるものではなく、自分自身のものへと変わっていきます。
その小さな「なぜ?」を大切にしながら、これからも子どもたちと一緒に学びをつくっていきたいと思います。
次回、第5話「45分を『耐える時間』にしない」をテーマに、子どもたちが夢中になって学び続ける授業づくりについてお伝えします。