育む力 育てたい姿

第2話 なぜ、子どもを待つのか

目次

なぜ、子どもを待つのか

~「待つ」ことも、大切な教育です~

前回は、「学習者主体の学びは誰のためか」についてお伝えしました。

今回は、その学びを支える大切な関わりの一つである、「待つこと」についてお話しします。

「先生、これで合っていますか?」

授業中、子どもたちはよく、

「先生、これで合っていますか?」
「次は何をすればいいですか?」

と教師に尋ねます。

もちろん、分からない時に助けを求めることは、とても大切です。

一方で、私たちが目指しているのは、

「まずは自分で考えてみよう。」
「友達の考えも聞いてみよう。」

と、一歩踏み出せる子どもの姿です。

自分で考え、友達と対話しながら学びを深めていく経験は、これからの社会を生きていく上で欠かせない力につながると考えています。

「待つ」は、何もしないことではありません

「待つ」と聞くと、何もしないことのように思われるかもしれません。

しかし、教育における「待つ」とは、子どもを信じて見守りながら、必要なタイミングで支えることです。

子どもが少し困っている時、私たちはすぐに答えを伝えるのではなく、

「どうしてそう考えたの?」
「ほかにも方法はありそうかな?」
「友達の考えも聞いてみようか。」

と問い返すことがあります。

それは、答えを教えないためではありません。

子ども自身が考え、自分なりの答えにたどり着く経験を大切にしたいからです。

正解を覚えるより、「考える力」を育てたい

これからの社会では、正解が一つではない課題に向き合う場面が増えていきます。

だからこそ学校では、「何が正解か」だけでなく、

「なぜそう考えたのか。」
「どのように考えたのか。」

という思考の過程を大切にしています。

時間は少しかかるかもしれません。

それでも、自分で考えた経験は、誰かから教えてもらった答えよりも、子どもの中に深く残ります。

私たちが育てたいのは、「正しく答えられる子」ではなく、自分で考え続けられる子です。

ご家庭でもできること

お子さんから、

「分からない。」
「教えて。」

と言われた時、すぐに答えを伝える代わりに、

「どう思う?」
「どこまで分かった?」
「一緒に考えてみようか。」

そんな言葉を掛けていただくだけでも、子どもは少しずつ「考える力」を伸ばしていきます。

学校と家庭が同じ方向を向いて子どもを支えることで、その力はさらに育っていきます。

おわりに

子どもは、「自分で考えてみよう」と思える安心感があるからこそ、挑戦できます。

そして、自分で考えたことが認められる経験を積み重ねることで、

「もっと知りたい。」
「次もやってみたい。」

という学ぶ意欲につながっていきます。

ゆめの森では、子どもたちが自ら考え、自ら学び、自ら育っていけるよう、「待つ」という関わりを大切にしながら、日々の授業づくりを進めています。

次回、第3話「自由進度学習とは、『自由』ではなく『自立』である」をテーマに、ゆめの森が大切にしている自由進度学習の考え方についてお伝えします。

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