教育課程は、子どもの学びを豊かにするためにある
~今しか出会えない教材を大切にするために~
第7話では、「教科書を教える」のではなく、「子どもを学びへ導く」授業づくりについてお伝えしました。
今回は、授業づくりをもう少し広い視点から考えてみたいと思います。
学校には年間の学習計画や時間割があります。これらは子どもたちに必要な学びを保障するために欠かせないものです。
しかし、私たちは教育課程を、「予定どおりに進めること」が目的ではなく、子どもたちの学びをより豊かにするためのものだと考えています。

第7話では、「教科書を教える」のではなく、「子どもを学びへ導く」授業づくりについてお伝えしました。
今回は、授業づくりをもう少し広い視点から考えてみたいと思います。
学校には年間の学習計画や時間割があります。これらは子どもたちに必要な学びを保障するために欠かせないものです。
しかし、私たちは教育課程を、「予定どおりに進めること」が目的ではなく、子どもたちの学びをより豊かにするためのものだと考えています。
目次
昨年度の冬、大熊町に雪が降り積もった朝がありました。
子どもたちは登校すると、
「先生、雪だ!」
「外に行きたい!」
と目を輝かせていました。
そんな時、教師としてまず考えるのは、安全です。
滑って転ばないように雪かきをしたり、安全に過ごせる環境を整えたりすることは、とても大切な役割です。
一方で、子どもたちにとって雪は、その日しか出会えない教材でもあります。
真っ白な校庭を見ながら、
「今だからこそ経験できる学びがあるのではないか。」
そう考えた教師も少なくありませんでした。
以前、研修の中で、指導主事の先生からこんな問いをいただきました。
「校庭に雪が積もっているのに、予定どおり国語や算数だけを進めますか。」
この言葉は、今でも心に残っています。
もちろん、国語や算数を学ぶことはとても大切です。
だからといって、時間割を自由に変えればよいという話でもありません。
大切なのは、
「今、この瞬間だからこそできる学びには、どんな価値があるのだろう。」
と考えることです。
教育課程は、子どもたちの学びを縛るためではなく、学びをより豊かにするためにあります。
雪だけではありません。
地域のお祭りや季節の変化、スポーツ大会、自然との出会いなど、その時、その場所だからこそ経験できる学びがあります。
教科書には載っていない出来事でも、
「なぜだろう。」
「もっと知りたい。」
という気持ちを生み出すきっかけになることがあります。
私たちは、そうした子どもたちの心が動く瞬間も、大切な教材だと考えています。
だからこそ、教科書だけを見るのではなく、子どもたちの目の前で起きている出来事にも目を向けながら授業をつくっています。
もちろん、その場の思いつきで予定を変えるわけではありません。
子どもたちにどんな力を育てたいのか。
その活動にはどんな教育的な価値があるのか。
学校全体として、どのように考えるのか。
教師同士が対話しながら判断していくことが大切です。
「時間割どおりだから。」
「毎年こうしているから。」
ではなく、
「子どもたちにとって、今、何が一番豊かな学びにつながるだろう。」
そんな問いを持ちながら教育活動をつくっていきたいと考えています。
私たちが大切にしているのは、時間割を変えることではありません。
子どもたちの心が動く瞬間を見逃さないことです。
教科書から学ぶことも大切。
そして、その日、その場所だからこそ出会える学びも、同じくらい大切です。
教育課程とは、その両方を大切にしながら、一人一人の学びを豊かにしていくためのものだと考えています。
これからも、子どもたちが「学校って面白い」「もっと知りたい」と思える毎日を、一つ一つ積み重ねていきたいと思います。
次回、第9話「みんな違っていい。でも、一人にはしない」をテーマに、一人一人の違いを大切にしながら、仲間と学び合うことの価値についてお伝えします。